外反母趾
こんなお悩みはありませんか?
親指が「くの字」になり、変形してしまいます。
中年女性に多い理由として、ヒールやパンプスなど、先が細い靴やハイヒールのようなかかとの高い靴を履く機会が多いことが挙げられます。昔はこのような靴を履く習慣が日本にはなかったため外反母趾はあまり見られませんでしたが、最近では珍しい病気ではなくなりました。
外反母趾の原因は、足に合わない靴の着用だけでなく、生まれつきの足の形状にも関係しているため、誰にでも起こりうる病気と言えます。
人間の足の形は大きく3種類に分けられますが、日本人の大半はエジプト型の足とされています。これは、足全体が外側を向いている形状であり、このタイプの足は親指が靴の先端に当たって圧迫を受けやすく、外反母趾になる可能性が高いです。
突き出た部分が痛い、または炎症が出る場合は外反母趾の疑いが高いです。適切な靴選びやケアを心がけることが大切です。
外反母趾で知っておくべきこと
ハイヒールが原因と思われがちですが、ハイヒールを履いたことがない男性でも外反母趾になることがありますし、ハイヒールを毎日履いていても外反母趾にならない女性もいます。生まれつきの足の形と生活習慣が組み合わさり、一定の条件を満たした場合に外反母趾が発症するようです。
放置すると変形が進行することはありますが、自然に治癒することはありませんので、注意が必要です。放置しておくと手術が必要になる場合もあります。
アーチ構造は踏み出す動力を生み出すバネ作用、接地の衝撃を緩和するクッション作用、片足でも倒れにくくなる安定作用を持っています。このアーチ構造は、足の裏にある足底筋膜という強靭な線維束によって作られています。縦のアーチが弱いタイプを偏平足、横のアーチが弱いタイプを開張足といいます。アーチが弱いと外反母趾になりやすいため、注意が必要です。
症状の現れ方は?
簡単に言うと、母指の付け根が痛くなり、変形するというイメージです。母趾がMTP関節で小指側に曲がり、HV角が20度以上になると外反母趾と診断されます。HV角が20度~30度は軽度、30度~40度が中等度、40度以上が重度に分類されます。
外反母趾は圧倒的に中高年の女性に多いため、ハイヒールが原因と思われがちですが、実際にはハイヒールを履いたことがない男性でも外反母趾になることがありますし、ハイヒールを毎日履いていても外反母趾にならない女性もいます。生まれつきの足の形と生活習慣や要因が組み合わさることで、一定の条件を満たすと外反母趾が発症するようです。
放置すると変形が進行することはあっても、自然治癒することはありませんので、注意が必要です。
その他の原因は?
その他には先天性と後天性の要因があります。
先天性の場合、遺伝的要因により関節が不安定であったり、関節が緩みやすかったりすることによって外反母趾が発生することがあります。
後天性には内的要因と外的要因の二つがあります。
<外的要因>
外的要因としては、ハイヒールや足先の細い靴を日常的に履くことが挙げられます。また、肥満により体重負荷や筋力が低下することも影響します。さらに、足の筋力が使えていない歩き方をしている場合、外反母趾のリスクが高まります。歩幅が狭い場合や足をあまり上げないような歩き方をする方には注意が必要です。
<内的要因>
内的要因には、関節リウマチや糖尿病があり、これらの疾患では関節が変形しやすく、外反母趾が発症しやすくなることがあります。
外反母趾を放置するとどうなる?
関節が亜脱臼した状態になります。関節が亜脱臼した状態になると、変形が進行し、保存療法では痛みが抑えきれない場合は、手術療法の適応となります。
手術の術式は多数あり、変形の程度、足全体の形、体型、年齢、関節リウマチなどの合併症の有無、仕事内容、入院できる日数などを考慮して最適な術式を選択します。最も一般的な方法は骨切り術で、中足骨の一部を切除して変形を矯正する方法ですが、切除の仕方にもいくつかの種類があります。
自然治癒はないため早期発見や早期施術が必要です。手術を行った後は外反母趾が大きく改善しますが、骨を切る手術ですので、骨が付くまでには4~6週間かかり、完治までには3か月が必要です。その間は松葉杖を使用したり、かかとで歩くことになります。
当院の施術方法について
電気施術や手技、運動療法が基本になります。また、外反母趾の予防が大事ですので、指導も行うことがあります。
【靴指導】
靴指導としては、痛みの軽減および変形の進行を抑えるために、母趾の付け根がフィットし、指先はゆったりとした形の靴が推奨されています。ヒールは低く、柔らかい素材の靴が良いとされています。また、アーチを補強する形のインソールを併用することも有効です。さらに、母指と2指の間に外反母趾予防のハサミ物を使用するのも良いと思います。
【運動療法】
運動療法には、ゴム紐を両足の母趾にかけて離す方向に力を入れるHohmann体操が有名で、軽度から中等度の外反母趾に対して痛みを軽減する効果が期待されます。また、足の指でグー・パーを作って指を開く母趾外転筋運動も、軽度から中等度の外反母趾に対して若干の変形矯正効果が期待できます。
改善していく上でのポイント
運動療法や靴指導を継続していくことが大切です。
痛みの軽減および変形の進行を抑えるために、母趾の付け根がフィットし、指先はゆったりとした形の靴が推奨されています。ヒールは低く、柔らかい素材の靴が良いとされています。また、アーチを補強する形のインソールを併用することも有効です。
さらに、ゴム紐を両足の母趾にかけて離す方向に力を入れるHohmann体操が有名で、軽度から中等度の外反母趾に対して痛みを軽減する効果が期待されます。足の指でグー・パーを作って指を開く母趾外転筋運動も、軽度から中等度の外反母趾に対して若干の変形矯正効果が期待できます。
放置したままで自然に治ることはありませんので、外反母趾でご来院された患者様にはこれらの重要性をお伝えしていけたらと思います。